抗不安薬という分類のお薬の効能は、まず不安感を抑えます。別の表現で「安定剤」といわれることもあります。そして、他の分類のお薬と比べると 相対的に副作用が小さめのタイプのものが多いわりに、即効性があるので、気軽に多めに使われることがあります。しかし、多剤を投じれば、それなりに 副作用も重篤化しやすいので、逆の意味で注意しなければいけないタイプのお薬かもしれません。
即効性と少ない副作用が特徴
抗不安薬は 不安や緊張、焦燥感などを和らげるといった効果が 抗うつ薬よりも早く表れやすいのです。主に不安障害の治療に用いられ マイナートランキライザーとも呼ばれます。 ベンゾジアゼピン系のものがほとんどなのですが、多数ある中でも、効果の強いもの弱いもの、作用時間の長いもの短いものなどさまざまあり、人により合う合わないもあるため 選択してつかわれます。
問題は抗不安薬の依存形成と離脱症状
現在使われている抗不安薬の大部分は「ベンゾジアゼピン系」のものですが、この系統の抗不安薬には、神経の興奮を鎮める神経伝達物質GABAの活性を高めて、不安や緊張感を和らげる働きがあります。よく使われるベンゾジアゼピン系の代表的なものには、下表にも含まれますが、ロフラゼフ酸エチル(商品名 メイラックス)アルプラゾラム(商品名 コンスタン、ソラナックス) ロラゼパム(ワイパックス(旧ユーパン))ナドデス。 ただし、 ベンゾジアゼピン系の薬は 効果が速く表れる利点がありますが、倦怠感、眠気、集中力の欠如などが表れることが 比較的多くあります。そして、これらの副作用は 少なめのときもありますが、依存性が問題となります。その依存性は それらの薬を急に中止したときなどに、副作用が強くでるような離脱小腸がおきやすいのです。減約したいのであれば、依存している自分をみつめなおし、認識した上で、計画的に少しずつ減約することが大切です。
抗不安効果がメインの薬剤での比較
一般名(商品名) | 作用強度 | 作用時間 | |
---|---|---|---|
短時間作用型(6時間以内) | トフィソバム(グランダキシン) | 弱い | 短い | | | | | | | | | | | | 超長 |
クロチアゼパム(リーゼ) | 弱い | ||
エゾチラム(デパス) | 中 | ||
中間型(12~24時間以内) | アルブラゾラム(コンスタン、ソラナックス) | 中 | |
ロラゼパム(ワイパックス) | 強い | ||
ブロマゼパム | 強い | ||
長時間作用型(24時間以上) | オキサゾラム(セレナール) | 弱い | |
メタゼパム(レスミット) | 弱い | ||
クロルジアゼポキシド(バランス、コントール) | 弱い | ||
フルジアゼパム(エリスパン) | 中 | ||
メキサゾラム(メレックス) | 中 | ||
クロキサゾラム(セパゾン) | 強い | ||
ジアゼパ(セルシン、ホリゾン) | 中 | ||
クロナゼパム(リボトリール、ランドセン) | 強い | ||
長時間作用型(90時間以上) | ロフラゼプ酸エチル(メイラックス) | 中 | |
フルトプラゼパム(レスタス) | 強い | ||
セロトニン作動性 | |||
タンドスピロンクエン酸(セディール) | 弱い |