若い人がうつ病を患っている場合、よく不安障害と合併することが知られています。不安障害とは頭を葉たれない病的に強い不安のために、日常生活に支障をきたす病気です。この不安障害は特に若い人に多く、それが 若い人のうつと合併することも多いのです。
症状としては 強い不安を抱いていたところに、恐怖感、緊張感、また イライラ感などのほか、発汗、動悸、頭痛、下痢といった身体症状も現れます。
不安障害といってもさまざま
一言で不安障害といっても
- パニック障害
- 社交不安障害
- 広場恐怖症
- 強迫性障害
- PTSD(心的外傷ストレス障害) などがあります。
うつ病と不安障害が併発する
アメリカでの調査によれば 不安障害+うつ病 となる割合は 全般性不安障害では約50% 社交性不安障害では30%以上となっています。 うつ病に合併する不安障害はおおむね 不安障害が まず うつ病に先行して発症しているものと考えられ、その逆の うつ病が先に発症しているケースはまれと思われます。
うつ病と不安障害の合併で重症化
うつ病と不安障害が合併し、慢性化、重症化したものに パニック障害があります。パニック障害は 突然理由のない不安に襲われて、動悸や呼吸困難などの「パニック発作」のために日常生活に まさに 不安と恐怖を抱きながら暮らさなくてはならないような過酷な病気です。発症率は世界的には 2~4% といわれていますが、日本では3.4%程度で、いわゆる 先進国といわれる国ほど患者が多めの傾向があるといえます。男女比は 男性が1.7% 女性は5.1%と かなり 女性に偏重した疾患であるといえます。パニック障害が慢性期に入ると、広場恐怖や回避行動のためにできないことがふえてくるため、生活を思い通りに楽しんだり、経済生活や社交的にも制約されることが多くなってくるため、物事に専念したり、自分のエネルギーを発散することができなくなり、エネルギーが消耗して うつ病を発症しやすくなります。
脅迫的な観念に支配される「強迫性障害」
強迫性障害(OCD)は理由のないこだわりと認識している観念に支配され、それを振り払うために異常な行動を繰り返す病気なのです。 自分では それらの行動様式は 普通ではないとわかっていても、不快な観念が頭に浮かぶことで、自分の意思で脅迫的な行動(強迫行為)をやめることができません。 重症になると心も体も 症状に支配されて、疲れ果てます。そして 抑うつ状態、引きこもりがちになることもああります。 発症は 全人口の2~3%で 男女比は 同程度の発症率といえます。治療は 抗うつ薬や 抗精神病薬、抗不安薬などの薬物量法を中心に 認知行動療法なども行われています。 全般性不安障害
全般性不安障害(GAD)は 特定の事柄や状況に限定されない強い不安に悩まされる症状となります。あらゆることに、過度の不安や心配が付きまとうため、また その原因が いっさい検討がつかないため、それがゆえに底知れない不安も付きまとうのです。そして、その不安は慢性的となり、 そわそわと 常に落ち着かない感じや 集中力の低下、 疲労感、不眠 などもともないます。全人口の3~5%に見られる疾患であり、女性の方が男性より2倍近く発症するという報告があります。神経質で 繊細、また もともとの気質として 心配性の人がなりやすく、セロトニンという脳内の神経伝達物質との関係や遺伝、ストレスなど いろいろな要因がからみあって発症する人がでてくると考えられています。 全般性不安障害は うつ病のほか、パニック障害などほかの精神疾患とも合併する場合もあります。
この やっかいな精神疾患の治療法は 抗うつ薬などによる 薬物療法のほか、カウンセリングや 認知行動療法などの精神療法が行われるものとされています。