HOME » 最近のうつ病の傾向と新しいタイプのうつ病

年々ふえているうつ病患者

厚生労働省の調査によると 日本のうつ病患者数(躁うつ病なども含めて)は1996年では43万人程度でしたが、2005年では92万人 2011年では96万人と増加の一途をたどっています。ただし、この数は医療機関を受診した患者さんの数で、実際には さらに多くの患者さんがいると考えられます。

◎ 最近増えている以下の2つのタイプのうつがあります
  • 軽症うつ
  • いわゆる典型的なうつ病にくらべ、全般的に症状が軽いうつのことをいい、「プチうつ」などともいわれます。典型的なうつ病と比べると、気分的な不調は訴えますが、全般的には仕事や生活面では 目に見えるほどの大きな支障をきたすまでにはいたっていません。疲れやすい、意欲がつづかない、落ち込むなどの変調がありますが、そのほかの特徴として、集中力がなくなったり、不眠や食欲不振なども加わることもよくありますが、この状態が あまり長く続いたり、回復の兆しとなる変化がなければ、そのまま、重症、中程度のうつ病になる可能性はあります。
  • 非定型うつ
  • うつ病といえな、抑うつ症状や、深刻な不眠、意欲の低下、興味、関心、喜びの喪失などが代表的ですが、同じうつ病でも、特徴がこれまでの従来のうつ病と異なるタイプのうつがあります。それが、非定型型うつ病なのです。「新型うつ病」などともいわれることもあります。 40代以降がかかりやすい 従来の「うつ病」に対して、非定型型のうつ病は 20代 30代の若者に多く見られるタイプのうつ病で、30代をみると、そのうちの8割が女性といわれます。非定型のうつ病は抑うつ症状などが強くでることは従来型と同様ですが、日常生活、社会生活に支障をきたすにはいたっておらず、睡眠はよく取れ、場合によっては、「いくら寝ても眠い」過睡眠になるケースもあり、食欲も、「食事がおいしくない」というも場合があっても、食事はとれており、過食や体重増加の傾向も見られます。 体が重く、物事のスタート時や切り替え時に思うように体も心も動かしにくいということがあります。さらに、責任のある役目を引き受けようとしない点など 従来型のうつの人が 責任を背負いすぎるのとは 逆の無責任な態度にもみられます。そして、自分が「うつであること」などを 普通に周りにしゃべり、ときには、「自殺するかもしれない」などとほのめかしたりもするというものです。こういった 非定型のうつ病の人でも、うつ病は うつ病なので、本人は苦しいと思われますが、現われる態度が、従来型の人とは 正反対の部分も多いのです。そして このタイプの人は人間関係に過敏に反応したり、夕方から夜にかけて調子が悪くなるといったケースが多くみられます。


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