HOME » うつと関連の病気1
うつ病以外であっても うつ病と同じまたは共通の症状を呈する疾患があります。この点によく注意しないと、医師は 謝った診断をすることが 少ながらずあります。その 共通の症状をもつ うつと 一部良く似た代表的な精神疾患をいくつかあげましょう。

<不安障害>


不安障害とは ストレスやショックなどの精神的あるいは心理的な要因で、激しい不安に教われ、日常生活に支障をきたすほどになってしまう病気です。かつては ノイローゼとは「神経症」などとも呼ばれていました。不安障害は 不安を主症状とする精神疾患全般をさし、恐怖感、緊張感、イライラ感、動悸、頭痛、発汗、下痢などの身体的症状としてあらわれることもあります。神経質的な性格で、こだわりをもちやすい、手抜きのできない まじめな性格の人がなりやすいといわれており、この性格はうつ病にもなりやすい性質といわれています。

不安障害には パニック障害、社交不安障害、PTSD(心的外傷ストレス障害)や特定の恐怖症や社交不安障害などがあり、これらのうち複数が合併することもあります。

 <心身症>


心身症とは 心の障害が身体的な症状や病変として現れる病気のことをいいます。たとえば、胃や十二指腸潰瘍や片頭痛、気管支喘息、蕁麻疹などあらわれる病気は多種多様で、こういった 表に見える疾患の原因が心理的なもの つまり ストレスであるとすれば それはすべて心身症ということになります。これは 身体症状を表す「仮面うつ病」と混同されやすいのですが、心身症では 体の病気ということであるため、検査をすれば 体の部位に異常が見つかりますが、うつ病などでは 体からは異常を発見することができないというのが大きな特徴です。


 <統合失調症>


統合失調症は 脳の統合機能が一次的にうまくは足らなくなってしまうために さまざまなトラブルが起こり、人間的 社会的なバランスのとれた営みができなくなる病気です。かつでは 精神分裂病ともよばれていました。根本的な原因や発病のメカニズムなどは解明されていない点がいくつもあります。しかし さまざまなリスク因子が複雑に絡み合ったり 影響しあうことで 発症すると考えられています。 症状の柱は「妄想」や「幻覚、幻聴」にかれれる急性期の陽性症状と「感情の平板化」や「意欲の減退」「集中力・持続力の低下」といった慢性期の陰性症状の2つがあります。 統合失調症とはいえ、その初期段階あるいは慢性期にも うつ状態になります。そのため 単なる「うつ病」なのか「統合失調症」なのか 専門医であっても 難しいとされることがあります。


 <認知症>


高齢者のうつ病の症状の特色として「意欲がない」「ぼんやりしている」「反応に乏しい」「物忘れがひどい」「社交性がなくなった」など 一見して 認知症と区別のつかない あるいは 共通の症状があります。 アルツハイマー型認知症では 知覚、思考、記憶などをつかさどる大脳皮質全般の神経細胞が破壊されます。そのため最初は物忘れから始まり、次第にうつ状態や不安などの精神症状が慢性化し、妄想や徘徊などの問題行動を起こすことにつながります。

 脳梗塞などが原因となり認知症が起こる脳血管性認知症の場合、その初期や 中期にうつ状態が見られるケースがあります。このような うつが見られるケースの頻度は 脳血管性認知症の方が 頻度として高くなるといえます。

 また 認知症には 前頭葉や側頭葉などが 先行して萎縮する 前頭側頭型認知症、前頭側頭葉変性症などでは 症状として、物忘れなどより、子供っぽい、情動的な かつ短絡的な 問題行動などや常同行動が見られ 周囲を困らすのですが、どちらかといえば、より子供に近づいた甘えや怒りを表すお年寄りの傾向が見られるせいか、うつ病 抑うつの傾向はあまり見られないと思われます。

 <慢性疲労症候群>


慢性疲労症候群とは 原因不明の強い疲労感が長期にわたって身体に残り続ける病気です。身体的面だけでなく、精神面でも激しく疲労するため、社会生活 日常生活 ともに 支障をきたします。激しい疲労感のほかの症状としては 微熱、喉の腫れ、喉の痛み、リンパ節のはれ、原因不明の筋力低下、関節痛といった症状も現れます。精神面では、「思考力の低下」「集中力の低下」「もの忘れ」「抑うつ状態」「睡眠障害」などが現れます。これらの症状はまさに うつ病と酷似していますので その識別は 容易ではありません。 強いて 特色的に 慢性疲労症候群を定義すれば「疲労感や倦怠感が他の精神的症状よりも強くでる」という点に上げられます。



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