老年期のうつ病
老年期のうつ病
老年期(65歳以上)は 体のさまざまな機能低下を再認識させられるのに加えて、大小 さまざまな疾患 病気に見舞われることも多くなります。そのことで自分の老化をはっきりと強く意識する時期となります。また、仕事の面でも 退職などにより、収入面、いきがい面、生活面、自立性などの点で 大きく変化の局面を迎えます。加えて、親しい人との別離などもふえ、喪失感や孤独感の深まる時期でもあるため、老年期に入った人の心には 大きな影響が 深く、長く加わることになり、これがストレスとして働く場合には その人はうつ病にかかるリスクが大きくなります。調査によると、65歳以上の人の10~20%がうつ病にかかっているといわれ、うつの状態にある人の割合はそれよりも倍近いといわれています。
老年期の性格の変化
老年期になると 老化にともなって性格が変わり、そのことが影響して、ストレスや身の回りのやや複雑な人間関係などや ささいなことにも対応できなくなりやすく、これらが引き金となりうつ病を誘発するといわれています。
老化にともなって起こりやすい性格変化には
- 自己中心的になる
- 疑い深くなる
- でしゃばりになる
- 体のことを過度に心配するようになる
- ものに感動しにくくなる
- 不平不満が多くなる
- 保守的になる
老年期のうつ症状
ほかの年代と比べて、特に「ゆううつな感覚」前面にでることはありませんが、その代わり、身体の不調という形で現れやすく いわゆる「仮面うつ病」のような症状となる特徴があります。 また 老年期のうつ病は 「妄想」などをともなう発症も多く見受けられます。その典型的な妄想には「被害妄想」「罪業妄想(ざいごう)」「貧困妄想」「心気妄想」などです。具体的な症状には「不安 焦燥感が強い」「ヒステリー症状を起こしやすい」「薬の副作用で意識障害が起こることがある」などが特徴です。症状としては
- イライラしてじっと座っていられない
- 室内や廊下、部屋とベランダなどを 繰り返し行き来したり、うろうろ歩きまわる
- 食欲が低下し、体重も減少する
- 頭痛 めまい 心悸亢進、腹痛、胃腸障害、睡眠障害など
老年期の認知症とうつ症状
老年期のうつ病の症状の中に認知症の症状と似ている点がおくつかあります。- わけのわからないことをいう
- 物忘れが著しく多い
- 行動や反応がにぶくなった
- 受け答えがしっかりできない。
- 自分の居場所、今の時間、何をしようとしているのか、がわからなくなる